●「同じように種まきしたのに、片方の品種は芽が出て、もう片方の品種は出ない」理由とは?


「種が発芽しない。」とご連絡いただく場合...

特に強い物言いで要望される方は...

「同時に2品種の種をまいたのに、片方だけ芽が出ない。」   などだった場合です。


ただ、これは品種の差によりあり得ることです。


一例として、カボチャの発芽について、ご紹介させていただきます。


知り合いの種苗店である市川種苗店さんが、HPに詳しく記載されておりましたので...

ご了承の上で、抜粋して記載しております。


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>【紅爵】の種をすべて播種しましたが、10個中2個しか発芽しません。同時に播種したかぼちゃ【雪化粧】はほとんど発芽がしています。


〔市川種苗さんの回答〕

結論から申し上げますと、地温が低いのが原因です。

また【雪化粧】(サカタの白南瓜)の発芽が良く、【紅爵】(渡辺採種場の紅南瓜)が20%であるのは発芽に必要な要求積算温度が異なるからです。

南瓜は温床育苗をすると、地温30℃で約3日で完全に発芽いたします。

30℃×3日×24時間=2160℃です。

15℃×6日×24時間=2160℃でもありますので、 この場合、平均地温15℃なら6日になりますが...

吸水を初めて双葉を展開するために力を温存できるのは6〜7日、つまり一週間くらいが限界なので...

15℃以下に下がるような事態になれば種が死んでしまいます。(ちなみに低温で死んだ種は指でつぶすと牛乳の固まったような、豆腐のような状態になっています)

要求積算温度が、雪化粧の場合2000℃で、紅爵が2200℃である場合...

前者は6日で発芽しますが、後者は6日で発芽できません。

そして7日以上かかることになり死んでしまう種が出てきてしまい発芽率が下がります。

2000℃と2200℃で、たった一割しか違いませんが結果は極端に違ってきます。

品種の早晩、栽培適地の相違、そして採種条件により、一割の変動は容易に起こり得るので今回の様な事例も希ではなく普通に起こり得ることをご理解いただけたら幸いです。

これが、今回、片方が極端に発芽できなかった理由です。

種屋をしておりますと、全く同じようなご質問をしばしば受けます。

品種によって要求積算温度が全く同じ事の方が珍しいはずです。

だから同じような事例に毎年何度も遭遇するのではなかろうかと想像いたしますので、やや詳しく書かせていただきました。


※市川種苗HP「カボチャの芽が出ません!なぜですか?」より引用


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これは、カボチャの積算温度を例に出しましたが...

他にも...

品種による皮の厚さの違いによって、同じように水をかけても、吸水の度合いに違いが出たり...

品種による光の要求の度合いの違いによっても、差が出ることもあります。



もちろん、同じように種をまいて、片方の品種は芽が出て、もう片方の品種が出なかったら...

「種が悪いのではないか?」と感じるお気持ちは分かります。


ただ、このようなことがあるとご理解いただき...

一方的に種が悪いと決めつけて、罵倒されるのは控えていただけると...

当店としては、とても助かります。


>種が発芽しない場合の当店の対応について
 
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種苗管理士(シードアドバイザー):松尾 秀平
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